歯にかける負担が少ないマグネットデンチャー
自分の残っている歯が少ない場合、かなりの大きさの入れ歯を残っている歯に負担させなくてはいけなくなります。
保険で作ることができる入れ歯はその少ない歯に金属のバネ（クラスプ）をかけるしかないため、早い時点で残っている貴重な歯まで失うこともよくあります。
歯科医院では少しでも歯に負担をかけずに残しつつ、なおかつ使いやすい入れ歯としてマグネットデンチャーを薦めているところがあります。
このマグネットデンチャーは保険が利かない自費扱いになるものの、失った歯の本数が多い人には大変適している入れ歯です。
保険の入れ歯は、動くたびにバネをかけている歯を揺らしたり倒そうとする力をかけてしまうのですが、マグネットデンチャーは横への強い力がかかると入れ歯が外れて、残っている歯への負担がかかることを阻止してくれます。
そのため残っている歯に負担をかけずに済み、長持ちさせることができます。
入れ歯のガタつきも抑えられる
マグネットデンチャーをする場合、残っている歯の歯冠部分を切断して根幹だけが残るようにします。
歯の神経がある場合は抜髄をしてから根充をして、マグフィット根面板を作成します。
この根面板は歯茎と同じ高さになった根幹にキャップをするような形になっており、中には磁気が通っています。
そして作製した入れ歯のプラスチックに、マグフィット根面板と対になる磁石を埋め込みます。
そうすると入れ歯をはめた時に磁力でくっつきますでの、食事をしたり会話をした時に外れにくい入れ歯が出来上がります。
保険で作った入れ歯はガタついたり、間にものが入って食べづらいこともよくありますが、マグネットデンチャーは磁気の力で強力にフィットしますので、それらの不快感を軽減させることができるのも特徴です。
CTやMRI撮影をする時も安心
マグネットデンチャーが普及した当初は、CTやMRIを撮影する時に口腔内に入っている金属のマグフィット根面板を除去するようにと言われることがよくありました。
しかし現在では、CTにもMRIにもマグフィット根面板が影響することはないことがきちんと実証されています。
マグネットデンチャーを作るにあたってマグフィット根面板を装着した患者さんに対しては、装着した歯科医院名が記載された証明書が渡されます。
そしてそれにはCTやMRI撮影に何らの影響も及ぼさないことがきちんと明記されていますので、仮にCTやMRIをとらなければならなくなったときはその証明書を提示しましょう。